実験結果から、認知症の周辺症状に対する冠元穎粒の効果をまとめた(表1)。
冠元穎粒は,異常行動を起こす処置によって発現した興奮作用,幻覚作用,攻撃行動などを抑制することが明らかとなり,それぞれの異常行動に対して鎮静作用,抗幻覚作用,抗ストレス作用を有していることが示唆された.また,その作用機序としてはドパミン神経,セロトニン神経やGABA神経系など各神経系に対して作用していることが考えられた.
以上の結果から、冠元穎粒は運動機能を損なうことなく、静穏効果のほか興奮、幻覚および攻撃行動などのBPSDに見られる周辺行動を改善することが示唆された
表1.認知症の周辺症状における冠元穎粒の影響