黄芩(おうごん)は、シソ科のコガネバナ Scutellaria baicalensis Georgi の根を乾燥したものですが、コガネバナという名前は、根が黄色であることから名付けられたものです。

産地は中国の東北部 (河北、内蒙古、山西、山東、甘粛、陜西の各省)、朝鮮半島、モンゴル、東シベリアからバイカル湖周辺まで広く分布していますが、この生薬の効能として、抗菌作用、解熱、利尿、抗アレルギー、解毒作用、肝機能の活性化 などが知られています。

また、主成分としてフラボン誘導体のバイカリン ( 10 % 以上) や多数の類縁物質が含まれ、黄芩湯、三黄瀉心湯、小柴胡湯、黄連解毒湯など、多くの漢方処方に含まれています。

筆者らは、生薬の効能を高める方法として、古くより経験的に用いられている 加熱修治 に注目し、黄芩について検討しました。

LPS(リポポリサッカライド)で炎症を誘導したマウスの肝臓において、加熱修治した黄芩の方が、酸化ストレスを介した炎症を強力に抑制し、組織学的にも著しく改善している知見が得られました。

また加熱によって、黄芩中のバイカレインとオウゴニンの含量が著しく増加し、これら成分の関与が示唆されました(下図参照)。

詳細については、最近 accept されました The Americal Journal of Chinese Medicine に掲載の原著論文を参照して頂ければ幸いです。